ドラッカーから知る、成果をあげる者の時間
- 作者: P.F.ドラッカー
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: 単行本
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第2章 汝の時間を知れ
成果をあげる者は、仕事からはスタートしない。時間から出発する。計画からもスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。
次に時間を管理すべく、自分の時間に対する非生産的な用件を退ける。
そして最後にこうして得られた自由になる時間を出来るだけ大きな単位にまとめる。
このために以下の3プロセスが必要である。
- 時間を記録する。
- 時間を管理する。
- 時間をひとまとめにする。
そして、
成果をあげる者は、時間が制約的要因であることを知っている。あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは、最も欠乏した資源である。成果達成のプロセスにおいては、そのような資源が、時間である。
時間は、他を持って帰ることの出来ないユニークな資源である。
(中略)時間は、借りたり、雇ったり、買ったりして手に入れるわけにはいかない。
(中略)時間は簡単に消滅する。蓄積も出来ない。機能の時間は永久に過ぎ去り、決して戻らない。したがって、時間は、常に不足の状態にある。
(中略)人間労働の代わりに資本で代替し、肉体労働の代わりに知識で代替する。しかし、時間には、代替させられるものはない。
時間はあらゆることに必要とされる。時間こそは、真に普遍的な条件である。あらゆる仕事が、時間の中で行われ、そして時間を費やす。
注意すべき点は、以下のことだ。
- ほとんどの人が、この代替のできない必要不可欠な資源を当たり前のもののように扱っている。
- 時間に対する愛情ある配慮ほど、成果を挙げるエグゼクティブを際立たせるものはない。
さらには、
成果をあげるべき者の仕事の大奥は、たとえごくわずかの成果をあげるためだけであっても、まとまった時間を必要とする。最小単位以下の時間では、全く無意味である。何も達成できず、やり直さなければならなくなるだけである。
成果をあげることは、この本の別の章で論じられている。ここでは時間に絞っていこう。
時間の使い方を診断する
時間がどのように使われているかを知り、続いて時間の管理に取り組むためには、まず時間の記録をとる必要がある(中略)
重要なことは、記録することである。しかも記憶によってあとで記録するのではなく、リアルタイムに時々刻々を記録することである。
時間の記録化は、ドラッカーがテイラーシステム(科学的管理法:課業管理、作業研究、作業管理のために最適な組織形態を原理とする。)から影響を受けているものである。
そこで自己診断を行うために、以下の質問を繰り返す必要がある。
- 時間の浪費になってしまっている仕事、する必要のない仕事はないか?
- する必要のまったくない仕事、すなわち、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけ、排除しなければならない。
- 他の人間でもやれることは何か?
- 重要なことに取り組めるようになるためには、ほかの人間にできることは、ほかの人間にやってもらうしか方法はない。
時間浪費の原因を整理せよ
そのためには以下の質問を問う必要がある。
- システムの欠如や先見性の欠如から来る時間の浪費がないか?
- 人員過剰から起こる時間の浪費はないか?
- 組織上の欠陥、例えば会議の余剰による時間の浪費はないか?
- 情報に関わる機能障害はないか?
自由になる時間をひとまとめにせよ
たとえ1日の時間の4分の1であっても、まとまった時間であれば、普通は、重要なことをするためには十分である。逆に、たとえ1日の4分の3であっても、ここに15分、そこに30分と分断されていたのでは、なんの役にも立たない。
そして、すべきことは、
自分の自由に出来る時間の量を考えて、重要な仕事については、締切日を自ら設定していかなければならない。
まとめ
つまり、時間で困っている場合には、以下のことを実践してみる、ということになる。
- 時間を記録する。
- 時間を記録するための準備をしておく。(例えば、ストップウォッチを買う、slimtimerみたいなツールを使う、となりの席の同僚に頼む、など)
- 記録は、常にリアルタイムで行うことが条件。
- 時間を管理する。
- 時間の使われ方が、どのように使われているか、自分で確認する。
- 重要でない、将来の自分やチームに何も意味のない仕事に時間を使っていないか?
- ほかの人にやってもらうことのできる仕事にばかり時間を使っていないか?
- 緊急な仕事ばかりに追われていないか?
- 重要なことに使うことが出来ているか?
- 時間の使われ方が、どのように使われているか、自分で確認する。
- 時間をひとまとめにする。
- 時間のまとまりを意識して、そのかたまり時間を確保することから始める。
- 作者: P.F.ドラッカー
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