tweet bannerを調べてみた。

日経新聞にも載ったり、いろんなNewsサイトでも話題になっているtweet banner。
twitterのつぶやきをネット広告の表現に取り込むものだ。

発想はおもしろい。だがなかなか詳細がうまくつかめない。
調べてみた。

概要

twitterはユーザーがフォローする/フォローされるというゆるめのつながりによって成立している。そこでのつながりは、1.現実でのつながりがある。(友達、会社の同僚など)、2.ネット上でのつながりがある、3.一方的に知っている(有名人)、など様々。ウェブサービスや企業のユーザーも多い。
つながる時は一方向的であるが、つぶやく⇒反応する、というようなつぶやきを中心としたつながりは鎖の様につながっていく。

tweet bannerはそんな鎖の様なつながりを、企業のネット広告に利用しようというものだ。

メリット

  • 広告に、リアルタイム(に近いレベルで)つぶやきを掲載することができる。新しい情報に更新されていく。
  • 常に変化するランディングページ。
  • ランディングページからコーポレートサイトへ誘導することも、企業のtwitterアカウントのフォローへ誘導することもできる。
  • ユーザーがtwitterで企業アカウントをフォローしたならば、企業がネットを通してユーザーにコンタクトする機会が増える。

フロー

f:id:sugilog:20091018105820j:image
source: http://www.cgmm.co.jp/tweetbanner/
(単語がいろいろでてくるが、別にまとめてある。)

ユーザーは、インターネットを見ていると、様々な広告を目にするだろう。tweet bannerも、姿形はそれらのネット広告と同じである。

tweet bannerの一つ目の特徴は、広告に表現されている内容だ。

  • 従来のネット広告は広告は一度作ったら差し替えまでは同じ内容がひたすらに露出される。
  • tweet bannerでは、様々なつぶやきが入れ替わり表示されるため、新鮮な内容の広告になる。主に広告を出している企業の

次に、ユーザーがtweet bannerによる広告をクリックしたとしよう。
ユーザーはランディングページとして、その企業のtwinavi内の専用ページをみることになる。

tweet bannerの二つ目の特徴は、ランディングページの内容だ。

  • 従来の専用ランディングページは、作り直しを行うことが少ない。
  • tweet bannerによるtwinaviランディングページは、広告を出している企業がつぶやいたTLが表示されている。いつも違う情報になる。加えて、ユーザーのつぶやきもTLに表示されるのか?(未確認)

さて、ユーザーはランディングページまでたどり着いた。次にクリックしてどこへ行くか。

tweet bannerの三つ目の特徴は、ランディングページからのリンク先だ。

  • 従来の専用ランディングページは、目的とするページへ誘導するだけだった。
  • tweet bannerでは、企業の目的のページへ誘導するのはもちろん、その企業のtwitterアカウントへのフォローを誘導できる。

企業のtwitterアカウントへのフォローを誘導できることは、何がよいのか。

tweet bannerの4つ目の特徴は、twitterを利用した、接触機会(コンタクトポイント)を増やすことだ。

  • 従来の広告は、ネットで表示された1度切りのものになる。その後はたまたまひょうじされるか、行動ターゲティング型の広告で再露出されるか、であり、コンタクトポイントはその場限りに近い。
  • tweet bannerでは、フォローしてもらうことにより、企業がtwitterのつぶやきを通して、その企業やサービスに興味を示しているユーザーへ、何度でもコンタクトポイントをつくることができる。

まとめてきた訳だが、非常におもしろい広告であることは間違いないだろう。
未確認であるため(10月末からの開始)わからない部分も多い。例えば広告を出す企業に対してtwitterユーザーがつぶやいた内容を拾ってくるのかどうか、どのようにしてそのつぶやきを拾い広告に適したものだけを抽出するのか、など。

だが、これは私見になるのだが、行動ターゲティング型の広告技術と組み合わせることで、ネット広告の有効性が高まるだろう。
また一つ、ネット広告の可能性がひろがったわけだ。


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追記

RSS広告社のリンクをはりました。
Tweetbannerを見たユーザーのフォローまでの動き、という図が非常にわかりやすかったです。
実際にリリースされるのが待ち遠しい。

言葉・用語の解説

こちらにまとめておく。各リンクはエントリー下部にまとめておいた。

  • twinavi(サイト):
    • twitterの公式ナビゲーターサイト。極めてシンプルなつくりのtwitterを補完する形で、使い方など掲載されている。Yahoo!などのポータルサイトと似ているが、twitter専用。
  • CGMマーケティング(企業):
    • CGMに特化し、企業のCGMを利用したネット戦略のサポートをしている。他に上記のtwinaviやtweet managerを運営している。今回、twitterを利用した広告の形としてtweet bannerを仕掛けた。
  • CGM(ネット用語):
    • Consumer Generated Mediaの略、消費者生成メディア。消費者が利用していくことで、そのウェブサイトのコンテンツが作り上げられていくメディアのこと。
  • フォロー(twitter):
    • twitter上で、別の人のつぶやきをまとめて閲覧するための一方向的な友達登録。例えばmixiでは、マイミク申請をしたならば、申請された側が承諾しないかぎりマイミクにはならない。twitterのフォローは、一方向的であるため、原則、承諾という手続は必要ない。(ただし、つぶやきを非公開にしているユーザーに対してのフォローは承諾を必要とする。)またフォローされた側は、フォローした人ををブロックすることでつぶやきを見せなくすることもできる。
  • ランディングページ(ネット用語):
    • ネット広告をクリックしたときに、次に表示されるページ。目的とするページ(例えばアマゾンなら、アマゾンの特集ページ)の前に、リンク先がどんなサイトなのかを説明するための全く別のページ(特集ページでの買い物のメリットをまとめるなど)を経由させることもある。