生き残るための広告技術
今日読んだ本は、『生き残るための広告技術』
生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて
- 作者: Rob Graham,徳久昭彦,DAC広告技術研究室
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/10/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 35回
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生き残るための広告技術
原著者のRob Graham氏は、インタラクティブコミュニケーションにおけるマーケティングの専門家。
本書は彼が2006年に出版したものを、日本のネット広告会社DACが翻訳すると共に、
原著者や日本のネット広告に関係する大手企業と連携して、加筆修正を加えている。
ネット広告についての本は、非常に多く出版されている。
特にここ2〜3年で急激に増加しているのではないだろうか?(感覚値)
しかしながらその多くは、一般的なマーケティングテクニックをネットマーケティングに応用している、
という内容のものが多い。(もちろん、そういったテクニックは重要である)
本書が優れている点は、
- 広告の歴史から、ネット広告を紐解いている点。= バックボーンの確かさ
- 方法論にも、あるべき論にも陥らず、ネット広告を俯瞰している点。
であろう。
時事的な楽しみとして、後半のYahoo! JapanやMixiへのインタビュー記事を読んでもおもしろい。
本題
- 広告の歴史の中から、ネット広告をひもとき、今後どのように変化していく必要があるか?
- そのときの広告の目的は、何なのか?
- 具体的な変化として、どのような方法があるのか?
ネット普及以前の広告は、どれだけ多くの人の目に留まるかであった。
4マスと呼ばれるようなメディアが成長したのも、広告をひとつの要因としているし、
4マスに広告を出稿することは、当時の広告の目的を達成する手段であったからだ。
多くの人の目に留まるための広告、ということが疑問視されてこなかったわけではない。
しかし、その疑問に対して十分な回答ができるプラットフォームがなかったのだ。
(おそらく広告のクリエイティブ、マーケティングテクニックは、その乖離を埋める為に進歩している)
ネット広告、ネットマーケティングは、ただただ多くの人の目に触れさせるためだった目的を大きく変えた。
投資対効果を改善し、広告費を引き下げた。
しかし、ネットは問題も多い。
過剰広告や、プライバシー問題がそれだ。
これからネット広告が変化しなければいけないこと、そしてそれを支える技術がまとめられている。
注目ポイント
内容については多岐にわたるので、ご自分で参照していただきたい。
非常におもしろい言葉があったので紹介したい。
「私の広告の半分は無駄だった。問題はどの半分が無駄だったの分からないことだ。」
1890年代のドライグッズのパイオニア ジョン・ワナメーカー
インターネットが生まれる100年も前に、既に広告が適正に届けられていないことに気付いている人がいたのだ。
インターネットになじんだ現代人は、そのことを意識しているだろうか?
検索結果ページを検索連動型広告でカバーしているのは、全体の45%程度しかない。(中略)
(残りの)中には広告効果が期待できないロングテールな検索結果も少なくない。実際にはすべてをカバーできるわけではないということだ。
カバーできていない検索結果が存在することは事実だ。
しかしながら、どの検索結果に広告効果が期待できるかどうかは、時間と共に変化していくだろう。
重要なことは、その変化に対応するために、柔軟であること、準備をしていることだ。
非常に良書だと思います。
生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて
- 作者: Rob Graham,徳久昭彦,DAC広告技術研究室
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/10/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。